ブラックジャックにはカードを追加する「ヒット」、賭け金を2倍にする「ダブルダウン」、同じ数字のカードを2つに分ける「スプリット」など様々なアクションがあります。
今回ご紹介する「インシュランス」もその1つです。
インシュランスを日本語に訳すと「保険」という意味で、その名の通りプレイヤーは一定の条件下に限り保険をかけることで損失回避を狙えます。
あまり聞かない用語なので「インシュランスを使ったことがない」「インシュランスを使った方が得するの?」という方は多いと思います。
そこで今回は、ブラックジャックでインシュランスを使える条件や使い方、期待値などを初心者の方にも分かりやすく解説していきます。
インシュランスっていつでも使えるんですか?
そうではないですね。タイミングや使い方について見ていきましょう。
もくじ
ブラックジャックのインシュランスとは
ブラックジャックのインシュランスとは、ディーラーのアップカードが「A」の場合にプレイヤーが選択できるオプションの1つです。
ディーラーのアップカードが「A」だった場合、伏せカードが「10または絵柄」ならブラックジャックが成立します。
プレイヤーはブラックジャックでない限り負けてしまいます。
そのような時に「インシュランス」を選択して賭け金の半分を賭けると、ディーラーがブラックジャックだった時にインシュランスで支払った金額の3倍配当が払い戻されるため損失を回避できるのです。
ただし、インシュランスが失敗すると最初の賭け金 + 追加で支払った賭け金は没収されてしまいます。
インシュランスとイーブンマネーの違い
インシュランスと似たオプションに「イーブンマネー」があります。
イーブンマネーとはプレイヤーにナチュラルブラックジャックが完成し、ディーラーのアップカードが「A」でブラックジャックの可能性がある場面で使えるオプションです。
このような場面でイーブンマネーを選択すると、その時点で勝ちが確定し2倍配当を受け取れます。
イーブンマネーを選択しなかった場合は、ディーラーにブラックジャックができなかったら2.5倍配当を受け取れます。
しかし、ブラックジャックができたらプッシュ(引き分け)となり賭け金が返金されます。
イーブンマネーは2.5倍配当の権利を放棄する代わりに、確実に2倍配当を確定させるというオプションです。
インシュランスとの違いは、すでにブラックジャックができているので選択の有無にかかわらず負けがない、という点です。
ブラックジャックのインシュランスのメリット・デメリット
ブラックジャックのインシュランスには、以下のメリットとデメリットがあります。
メリット:成功するとそのラウンドの損失を回避できる
インシュランスが成功するとそのラウンドでの損失を回避でき、プラスマイナス0になります。
たとえば最初に10ドルをベットして、ディーラーのアップカードが「A」だったとします。
インシュランスを選択すると、最初の賭け金の半分 = 5ドルをベットするので、この時点での合計ベット額は15ドルです。
ディーラーにブラックジャックが完成すると、最初の賭け金10ドルは没収されますが、イーブンマネーの5ドルには3倍配当がついて15ドルが払い戻されます。
したがって、そのラウンドでの損益はプラスマイナス0となって損失を回避できるのです。
デメリット:成功確率は約30%とかなり低い
インシュランスは便利なオプションに見えますが、成功確率が低く期待値はマイナスになります。
ディーラーのアップカードが「A」のときにナチュラルブラックジャックが完成するためには、伏せカードが「10または絵柄」である必要があります。
伏せカードが「10または絵柄」の確率は4/13(10、J、、Q、K)なので、約30.8%です。
つまり約3回に1回しか成功せず、成功してもプラスマイナス0になるだけで利益は出ません。
単純計算すると3回のうち2回は負けて1回は引き分けということになるのです。
インシュランスが外れた場合には初回賭け金は没収されずゲームが続きますが、ディーラーのカードに「A」が含まれているためバーストしにくく不利な状況です。
したがって、インシュランスを選択できる場面はどちらの転んでもプレイヤーに不利な状況なので、無理に勝負せず次からのゲームにかけたほうがいい場面といえます。
損失回避できるのは助かるけど成功率が低いですね。
損失が膨らむリスクもあるので、活用するチャンスの見極めが大事ですよ。
ブラックジャックのインシュランスの使い方
ブラックジャックのインシュランスの使い方は、オンラインカジノとランドカジノ(店舗型カジノ)で若干異なります。
オンラインブラックジャックでのインシュランスの使い方
まず、オンラインブラックジャックでのインシュランスの使い方を解説します。
STEP1. カードが配られた後にインシュランスの使用を決める
最初にチップを置いてゲームがスタートすると、プレイヤーとディーラーに2枚ずつのカードが配られます。
ディーラーのアップカードが「A」だった場合には、インシュランスを使うか否かを選択します。
STEP2. 初回賭け金の半分を追加する
インシュランスを選択すると、初回賭け金の半分を追加します。
上記では初回賭け金が1ドルだったので、0.5ドルが追加されて合計賭け金が1.5ドルになっていることをご確認ください。
STEP3. 勝敗が決着
ディーラーの伏せカードが表向きになると勝敗が決着します。
上記ではディーラーにブラックジャックができたので、インシュランスが成功しました。
ただし、初回賭け金の1ドルはゲームに負けて没収されるので、インシュランスで賭けた0.5ドル x 3倍の1.5ドルが払い戻されます。
プレイヤーの合計賭け金は1.5ドルだったので、プラスマイナスは0です。
仮にインシュランスが失敗した場合は、インシュランス分の0.5ドルは没収されて、初回賭け金の1ドルを使ってゲームが続行します。
ランドカジノでのインシュランスの使い方
ランドカジノでインシュランスを使う場合は、ディーラーに合図をして意思を伝えます。
インシュランスが受け入れられたら、初回賭け金の半額のチップを追加して置きます。
その他の流れはオンラインブラックジャックと同じです。
ブラックジャックのインシュランスで想定されるパターンは4つ
ブラックジャックのインシュランスを使った場合には、4つのパターンが想定されるので1つずつ解説していきます。
それぞれ1ドルをベットし、インシュランスで0.5ドルを追加して合計ベット額が1.5ドルに統一しています。
パターン1:インシュランスは成功したがゲームに負けた
1つ目は、インシュランスが成功してゲームに負けるパターンです。
上記ではインシュランスは成功しましたが、ゲームでは負けています。
この場合は初回賭け金の1ドルが没収され、インシュランスの0.5ドル x 3倍の1.5ドルが払い戻されるのでプラスマイナス0です。
パターン2:インシュランスは失敗したがゲームに勝ったパターン
2つ目は、インシュランスは失敗したがゲームに勝ったパターンです。
上記ではインシュランスは失敗していますがゲームには勝ったので、1ドル x 2倍の2ドルが払い戻されました。
したがって、2ドルから合計ベット額の1.5ドルを引いた0.5ドルが利益となります。
なお、プレイヤーに最初に配られた合計値が「11」ですが、ディーラーのアップカードが「A」だった場合にはダブルダウンは選択するべきではありません。
パターン3:インシュランスが失敗してゲームにも負けたパターン
3つ目は、インシュランスが失敗してゲームにも負けたパターンです。
上記ではインシュランスに失敗して、初回ベット額の1ドルを使ってゲームが続行しましたが、プレイヤーのカードがバーストしたのでゲームにも負けています。
この場合は、初回賭け金の1ドルとインシュランスの0.5ドルが没収されて-1.5ドルとなるため、最も損失の大きいパターンです。
パターン4:ナチュラルブラックジャックでインシュランスをしたパターン
4つ目は、プレイヤーにナチュラルブラックジャックができてインシュランス(イーブンマネー)するパターンです。
上記ではプレイヤーがブラックジャックなので、この時点で負けはありません。
ここでイーブンマネーを選択した場合は、2つのパターンが想定されます。
ディーラーのハンドもナチュラルブラックジャックだった場合
1つ目はディーラーのハンドもナチュラルブラックジャックだった場合です。
この場合、初回賭け金は引き分け返金、イーブンマネーは成功しているので0.5ドル ×3倍の1.5ドル、合わせて2.5ドルが払い戻されます。
合計賭け金は1.5ドルなので1ドルのプラスです。
参考までに、イーブンマネーを選択しなかった場合は引き分け返金されるのでプラスマイナスは0です。
ディーラーのハンドがナチュラルブラックジャックではない場合
2つ目はディーラーのハンドがナチュラルブラックジャックでない場合です。
この場合、初回賭け金分は勝ちなので1×2.5倍の2.5ドルが払い戻されますが、イーブンマネー分は没収されます。
合計賭け金はは1.5ドルなので1ドルのプラスです。
参考までに、イーブンマネーを選択しなかった場合は1ドルベットで2.5ドルが払い戻されるので、損益は+1.5ドルになります。
イーブンマネーの場合はプレイヤー側にブラックジャックができているので、イーブンマネーの的中・不的中にかかわらず負けはありません。
ブラックジャックではインシュランスを使用しない方がいい
ここまでブラックジャックのインシュランスについて、ルールや配当、想定されるパターンなどを解説してきましたが、基本的にはインシュランスは使用すべきではありません。
最大の理由は、インシュランスは的中してもイーブン(プラスマイナス0)にしかならず、外れた時には初回賭け金とインシュランス分の両方を没収されるからです。
すでに解説しましたが、ディーラーのアップカードが「A」のときにブラックジャックができる確率は約3回に1回なので、理論上は2回外れて1回が引き分けになります。
つまり期待値がマイナスなので、インシュランスをかければかけるほど損失が増えていくのです。
もちろん、数回の勝負ならインシュランスやイーブンマネーが成功することはありますが、試行回数を増やせば次第に理論上の確率に落ち着きます。
ディーラーのアップカードが「A」だった場合には、「ナチュラルブラックジャックならしょうがない」と割り切るようにしましょう。
ブラックジャックは還元率の高いゲームですが、勝率は50%未満ですからすべてのゲームで勝つのは不可能です。
また、この後で紹介するブラックジャックの最適なアクションを教えてくれるベーシックストラテジーのチャートにも、インシュランスというアクションはありません。
勝つためではなく、あくまでも損失を防ぐための保険という認識を持っておきましょう。
勝率を上げるならベーシックストラテジー(基本戦略)を活用する
ブラックジャックには、プレイヤーのハンドとディーラーのアップカードの組み合わせで最適なアクションを教えてくれるベーシックストラテジー(基本戦略)という強力な攻略法があります。
数学的に証明されている最も期待値が高いアクションが示されているので、毎ハンドチャートに基づいた選択を行えば高い還元率を最大限引き出せます。
ベーシックストラテジーチャートについては、当サイトで公開していますのでそちらをお使いください。
効果が絶大なためほとんどのランドカジノではチャートの持ち込みが禁止されていますが、オンラインカジノでは問題なく利用できます。
初心者の方でもプロと同じアクションを選択できるので、オンラインカジノでブラックジャックをプレイする場合は必ずストラテジーチャートを使うようにしましょう。
なお、ベーシックストラテジーについてはこちらで詳しく解説しているので、ぜひご参照ください。
まとめ
今回はブラックジャックのインシュランスについて解説してきました。
インシュランス(保険)という言葉だけだと何かお得なシステムのように見えます。が、ブラックジャックにおいては期待値を下げる行為なので、基本的には使うべきではありません。
また、ブラックジャックにはベーシックストラテジーという強力な攻略法があるので、ぜひこの機会にマスターすることをおすすめします。
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